過換気症候群とは



(原因と薬に頼らない対処法の説明)

1.はじめに

過換気症候群は過呼吸と呼ばれることも多いですが、急に息が苦しくなって、動悸、めまい、手足のしびれ、といった症状が起こるものです。

若い女性に多く見られ、夜間、救急車で搬送される人の中の約3割が、過換気症候群の発作によるものだというデータもあります。

通常は1時間以内で症状が治まってしまうために、病院に運ばれた後は、ケロッとしていることも多いと言われています。

しかし、過呼吸などの発作が起こり病院に運ばれたというショックな出来事が「キッカケ」になって、過換気症候群に悩むようになる人も多いものなのです。

このページでは、森田療法の立場から、今、現実に過換気症候群に悩んでいる人のために少しでも参考にして頂ければと思い、解説しております。


2.過換気症候群とは

今、上でも書きましたが、夜中、ベッドの中で突然息苦しくなりパニックになってしまうといった形で現れてくるのが特徴になります。

つまり、突然起こる不安から過呼吸になり、その結果、手足のしびれや動悸、めまい等の症状が引き起こされる症状だと言っても良いと思います。

また、過換気症候群の症状は乗物恐怖とか外出恐怖、外食恐怖、留守番恐怖など、パニック障害のいろいろな症状に伴って現れてくるものなのです。

しかし、いずれも、症状に伴って「死の恐怖」を直接的に感じるというところに特徴があると言えます。

つまり、息苦しさや過呼吸、動悸などによって、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じるところに特徴があると言って良いと思います。


3.過換気症候群の具体例

過換気症候群の場合もパニック発作の場合と同様に症状は10分か長くても1時間以内には治まってくるものです。

また、原因を調べるために検査をしても脳や肺、心臓などの異常が見られない場合に限られます。

具体的には下記のような現れ方をします。



(過換気症候群の具体的な例)

01.呼吸が急に早くなり(過呼吸)息苦しさを感じる。

02.胸の痛みや圧迫感を感じる。

03.心臓がドキドキする。

04.立ちくらみのような、めまいやふらつきが起こる。

05.息がつまるような感覚を覚える。

06.手足や皮膚のしびれや、うずく感じがある。(テタニー痙攣)

07.頭がボーっとする感じがする。

08.このまま死ぬのではないかと恐怖を感じる。



過換気症候群は上に紹介させて頂いたような症状になりますが、一言で言えば、息苦しさのために、このまま死んでしまうのではないかと「死の恐怖」を感じる症状だと考えて良いと思います。


4.原因

今の医学界の定説では、過換気症候群の原因は不安や緊張を感じた時に息をハーハーすることで肺の中からの二酸化炭素の排出が必要量を超え、血液中の二酸化炭素濃度が減少して血液がアルカリ性に傾くため、息苦しさを覚えるということになると思います。

しかし、不安や緊張から血液中の二酸化炭素濃度が減少し、血液がアルカリ性に傾くために息苦しさを覚えるというのは、後付の理屈であり、本当の原因ではないと思います。

森田療法の考え方からすると原因は下記のように言えると思います。

つまり、過呼吸の発作の経験が「キッカケ」になり、また、あの時のような息苦しさや動悸が起こったらどうしようと予期不安を感じるものなのです。

そして、この予期不安に引きずられて、電車に乗るなどの目の前の「なすべきこと」から逃げてしまうことが多いものなのです。

これが森田療法で言っている、症状に引きずられた気分本位の行動ということになるのです。

そして、こういう気分本位の行動を繰り返すことで、ますます予期不安を強くし、過換気症候群の症状に対する「とらわれ」が出来てしまうということなのです。

つまり、血液中の二酸化炭素の濃度といったものが原因ではなく、過換気症候群の症状に伴う「死の恐怖」に対する「とらわれ」が原因だと考えています。


5.誤った方向の対処

今は過呼吸など、過換気症候群の発作が起こった時に紙袋などに口や鼻を当て、吐いた空気を再度吸い込むことで、血液中の二酸化炭素濃度を上げる方法(ペーパーバッグ法、紙袋再呼吸法)とか、抗不安薬を注射するといった対処がされていると思います。

また、日頃から抗不安薬や抗うつ剤といった薬を服用するという対処が一般的だと思います。

しかし、これらは過換気症候群の症状だけに目を向け、これを無くそうとする方向の対処ですから、森田療法の立場から見ると気分本位の「はからい」の行動であり、誤った方向の行動ということになってしまうのです。

ペーパーバッグ法や紙袋再呼吸法は、さすがに最近では、その効果よりも危険性の方が大きいということがハッキリしてきたために、あまり行なわれなくなってきたように思います。

しかし、抗不安薬などの薬を用いた対処法は、今、最も多く行なわれていると思います。

そして、このために、何年にも渡って薬を飲み続けている人が増えているのが現実だと思います。

しかし、数年経っても、ハッキリとした効果が出てこないものは、誤った方向の対処法だと考えて良いのではないかと思います。


6.薬に頼らない対処法

先ほども書きましたが、森田療法では過換気症候群の原因は過呼吸などの症状に対する「とらわれ」にあると考えています。

そして、この「とらわれ」は森田療法の考え方に沿って目的本位の行動を積み重ねる方向で対処していく中で、少しずつ薄れてくるものなのです。

つまり、不安や過呼吸などの症状を感じながらも、必要があれば、電車などに乗るようにしていくという対応が大切になってくるのです。

これが目的本位の行動ということになるのですが、森田療法の学習と併行して、こういう目的本位の行動を取る方向で対処していくと、この積み重ねの中で少しずつ症状に対する「とらわれ」が薄れてくるものなのです。

そして、この結果として過換気症候群の症状が治療されてくるものなのです。

ですから、これが過換気症候群の薬に頼らないもっとも良い対処法になると思います。


※なお、過換気症候群のさらに詳しい対処法については、こちらのMT心理カウンセリングルームのHPを参考にして下さい。



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